『第1回京都会議―「価値多層社会」の実現に向けて―』が開催されました
2025年9月23~24日、国立京都国際会館で『第1回京都会議―「価値多層社会」の実現に向けて―』(主催:一般社団法人京都哲学研究所)が開催され、株式会社コングレは会場設営と会議運営を担当しました。
哲学者をはじめとする有識者と産業界のトップなど国内外から約600人が集い、講演やパネルディスカッション、ラウンドテーブルセッションなどが実施されました。

京都哲学研究所とは
京都哲学研究所は、「価値多層社会」実現に向けた国際的運動体の形成を目指し、NTT株式会社と京都大学 出口康夫教授(文学研究科長・文学部長/哲学専修)によって2023年7月に設立されました。ボン大学のマルクス・ガブリエル教授がシニア・グローバル・アドバイザーとして参画しているほか、国内外の企業等が賛助会員として参画しています。
―「価値多層社会」の実現に向けて―
京都会議は、日ごろあまり接点のない哲学など人文学の研究者と経済界のリーダーが一堂に会し、AIに象徴される科学技術や産業が抱える課題について議論を展開していく場として構想されました。
京都哲学研究所 共同代表理事のNTT株式会社 澤田純取締役会長は、冒頭あいさつで「産業界と哲学界が継続的に語り合う機会をつくり、新しい世界の価値観を発見してまいりたいと考えております」と述べました。
続く基調講演で、京都哲学研究所 共同代表理事の京都大学 出口康夫教授は、「京都哲学研究所の一つのミッションは、多様で多層な価値を提案し、それを実装した価値多層社会を実現することにあります」と話しました。

NTT株式会社 澤田純取締役会長

京都大学 出口康夫教授
ラウンドテーブル形式のセッションで自由闊達な議論
2日間のプログラムでは、パネルディスカッション、ランチセッション、ラウンドテーブルセッションなどを通して、AI、芸術、文化、科学技術、ガバナンス、民主主義、産業界の役割など多岐にわたるテーマについて、研究者、産業界、宗教界、政府・自治体、民間団体など多様な参加者による有意義な議論が行われました。
京都会議の運営に当たっては、主催者から「参加者同士のコミュニケーションを重視したい」「自由参加型のラウンドテーブル形式のセッションを行いたい」と伺っておりました。
今回実施したラウンドテーブル形式のセッションは、部屋を分けて円卓を複数設置し、ファシリテーターと参加者10人ほどが約40分間、意見交換するセッションです。特に自由闊達な議論が円滑に進むように複数の円卓すべてで同時通訳を実施しました。
ラウンドテーブルセッション自体は国際会議ではよく行われますが、全テーブルで同時通訳に対応した体制を整えることは、当社の運営実績の中でも異例の取り組みでした。そこで当社で種々検討し、会場レイアウトや機材の仕様、同時通訳の実施方法をご提案いたしました。
機材の調整や通訳者の手配など様々な方々の協力を得て滞りなく準備が進み、本番の有意義な議論をサポートできたことは、当社にとってもたいへん充実した仕事になりました。


開催地 京都の魅力を発信
22日の歓迎レセプションでは、参加者同士のコミュニケーションを促進するため、ディスカッション形式の「ディナートーク」を実施しました。
京都の食材を使用した彩り豊かなビュッフェ料理と京都の日本酒を多数ご提供し、食を通じて自然な会話が生まれる温かな雰囲気の中、参加者同士の交流が深まりました。


23日の夕食会では、京都の食材を使用したコース料理をご提供するとともに、海外からの参加者に日本文化を感じていただくプログラムを実施しました。
東京オリンピック女子空手形銀メダリストの清水希容さんが空手演武を披露し、静と動が織りなす緊張感のある動きと、研ぎ澄まされた所作が会場を圧倒しました。
また、伝統芸能である能の謡を鑑賞した世界各国の参加者は、日本と京都の文化を目の当たりにし、感慨深げに余韻を味わっていました。


今回、産業と哲学が融合する意義深い国際会議の運営に携わることができ、関係者およびご協力いただいた皆さまに改めて感謝申しあげます。