「日本放射線腫瘍学会第37回学術大会」が開催されました
参加者が主体となる多彩なプログラムを実施
2024年11月21日~11月23日、「日本放射線腫瘍学会第37回学術大会」がパシフィコ横浜 ノースで開催され、株式会社コングレは企画運営を担当しました。
本学術大会では、大西 洋 大会長(山梨大学医学部 放射線医学講座 教授)の、参加者全員に主体的に思考を深める場を提供したいという想いのもと、クラウドサービスを活用した参加型ディベートセッション、質問時の発言数が最も多かった参加者の表彰、情報交換会、SNSを活用した参加者による情報発信など、ユニークな企画が多数実施されました。
会場には約3,100人の参加者が集い、熱い議論が行われ、盛況のうちに終了しました。
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大西 洋 大会長(山梨大学医学部 放射線医学講座 教授)
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大西大会長が武田信玄の甲冑を着用して登場
テーマ:至誠慧眼常識の見直しと新次元のPGRT:patient guided radiotherapy
本学術大会のテーマは「至誠慧眼」です。大西大会長はテーマに込めた想いとして、「高精度放射線治療の提供の際に最も大切なのは、常に本質的に正しいことを見極めながら、患者さんの心に高精度に寄り添った治療を、誠意を込めて構築することだと考えています」と述べられています。
副題の「patient-guided radiotherapy」は、既存の image-guided radiotherapy(画像誘導放射線治療:画像情報を基に正確な臓器や腫瘍の位置情報を用いる放射線治療)を基に考案された造語であり、「患者さんの希望に精密に応える治療を最優先にする姿勢」が表現されています。
参加者が主体となるプログラム
本学術大会では、患者さんと向き合うために常識をみんなで見直すセッション「常識の見直し」「慧眼を磨く」や、患者さんやご家族と医療者が意見を交わし、医療従事者の研究や診療の取り組みを知るセッション、新たなエビデンスや最新の放射線治療計画ガイドラインに関するアップデートセッション、国際的なエキスパートと直接交流できる「ESTRO/JASTRO 共同シンポジウム」、大先輩の足跡に学ぶ「レジェンドからのご託宣」、企業が医療提供のあり方を語るセッションなどが実施されました。
さらに、大西大会長の「参加者が楽しみながら積極的に聴講できる学術大会にしたい」「全員が主体的に思考を深める機会を創出したい」との想いから、新たに「ディベートセッション」「自画自賛症例コーナー」「やる気刺激企画」「炎上許容セッション」などのユニークなセッションが設けられ、当社は様々な企画をサポートしました。
参加型企画①:ディベートセッション
会場内の参加者投票で勝敗を決める「ディベートセッション」では、セッション中にリアルタイムでディベートの議題に投票できるシステムを導入しました。参加者がスマートフォンでQRコードを読み取って投票し、その結果がスクリーンに投影されます。投票結果はセッションごとに公式 X でも随時公開していきました。
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参加型企画②:最も多く質問/コメントした参加者を表彰
すべてのセッションにおいて、参加者の質問やコメントをカウントし、会期中で最も多く発言した参加者を表彰する企画を実施しました。
参加者と運営側双方にとってスムーズな集計ができるよう、質問時に係員が参加者のネームカードに印字されたQRコードを読み取る運用を行いました。
上位にランクインした参加者を毎日公式Xで発表し、会期後には公式Webサイトで大会テーマに因んだ「慧眼賞」として賞状と記念品が贈られました。
また、本学術大会では、セッション内容の情報拡散を目的として、発表スライドやポスターの写真撮影を原則許可し、参加者によるSNSへの投稿などを認め、学会の内外を問わず議論の広がりや新たな交流が生まれました。
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展示会場では山梨のお土産とデジタルスタンプラリー
医療機器メーカーなどのブースが並ぶ展示会場には、主催校の地元である山梨のお土産コーナーを設け、参加者が横浜にいながらも山梨の魅力に触れる機会を創出しました。
また、多くのブースを積極的に訪問していただけるよう、オリジナル景品をもらえるデジタルスタンプラリーを実施しました。景品には「がん経験者の視点を新しい価値に変えて社会に活かす」をテーマに活動している団体「ダカラコソクリエイト」にご協力いただき、放射線治療機器を3Dプリンタでミニチュアサイズにしたキーホルダーをご用意し、想定をはるかに超える多くの方に参加していただきました。
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フォトスポット
展示会場に本学術大会のメインビジュアルを背景に記念撮影ができるフォトスポットを設けました。背景にはトリックアートが仕掛けてあり、撮影グッズとして用意した主催校オリジナルのうちわを持って楽しく撮影をする方が多く見られました。
また、主催校から「プリクラを置きたい」のご要望をいただき、オリジナルフレームが作成できるプリクラ機を設置。学術集会の会場では珍しいプリクラ機に待ち列ができ、プリクラシートが一時足りなくなるほどの盛況ぶりでした。
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大会オリジナルのグッズをご用意
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地元高校生によるオリジナル書道作品
主催校の地元である山梨の甲府西高等学校の書道部の皆さんに、本大会オリジナルの書道作品を制作していただきました。とても大きく力強い文字が書かれた作品は、広い展示会場で圧倒的な存在感を発揮。「至誠慧眼」「患者さんのために心と技術を尽くした放射線治療を」のメッセージが、本大会に訪れた多くの参加者に感銘と勇気を与えました。
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圧巻の音楽ステージが披露された情報交換会
2日目の夜に行われた情報交換会では、参加者同士がおいしい食事を楽しみながら旧交を温めたほか、オリジナル企画の最優秀演題賞・優秀演題賞の表彰が行われました。
また、日本放射線腫瘍学会(JASTRO)の音楽愛好家によって結成された管弦楽団「JASTROオーケストラ」と、放射線治療を経験したがんサバイバーであるミュージシャン・唐川つとむ氏によるスペシャルコラボパフォーマンスが、大西大会長による指揮のもと披露されました。
さらに、ブギウギピアノユニット・松田兄弟による圧巻のステージで会場は大盛り上がりでした。
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JASTROオーケストラと唐川つとむ氏がスペシャルコラボパフォーマンスを披露
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ランニング・フットサル大会
参加者同士の交流促進や会期中のリフレッシュを目的として、ランニングとフットサル大会を実施しました。
ランニングは学会2日目の早朝にタイムトライアル形式で行い、完走者には個人のタイムを記録した完走証を授与しました。ひと汗かいてすっきりした気持ちで学術大会に臨んでいただきました。
フットサル大会は学会終了後に会場近隣にある「ノア・フットサルステージ横浜」で実施し、学術大会の熱が冷めないまま親睦を深める機会となりました。
どちらの企画も参加者には記念Tシャツを贈呈し、専門分野の研鑑以外の思い出をお持ち帰りいただきました。
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担当者のコメント
本学術大会の開催にあたり、大西大会長が準備段階から「伝説の会にしたい」とおっしゃっていたことが強く印象に残っています。その言葉に応えるべく、私たち運営チームも常にプレッシャーを感じながら準備を進めてまいりました。
大西先生の革新的な姿勢に追いつくため、私たちも常識にとらわれない意識を持ち、全力で取り組みました。昨年の JASTRO 2023 に続き、同じ会場での開催となりましたが、「昨年踏襲」や「通常」といった枠にとらわれることなく、新たな視点での準備を心がけました。
そして迎えた当日、参加者数、プログラム数、新企画数ともに過去最大規模となったJASTRO学術大会を目の当たりにし、この貴重な大会の運営に携われたことを心からうれしく思いました。また、この経験が今後の自分を支える大きな糧となると感じています。
大西 洋 大会長のコメント
本学術大会開催にあたって掲げた我々の目標は、「常識を打破するような斬新かつ記憶と記録に残る伝説の大会」でした。様々なディベートセッション(会場参加者による投票あり)、多数回の質問者表彰、当日発表自体の評価と表彰、展示場でのスタンプラリー、トリックアートの設置など、これまでなかった新しい企画を多数盛り込みました。大手のコングレさんにとっても初めての試みであった企画もあったようで、かなりのご苦労をおかけしたようでした。幸い、過去最高の参加者数を記録することができ、大会後には「これまで経験したことのないとても良い学会でした」というご意見を、参加者からも企業関係者の方からも多くいただきました。
ご担当いただいた藤澤さん、澁谷さん、竹内さん、加藤さんには本当にお世話になりました。大会が近づくにつれて喫緊の課題が次々と出てきた中で、多くのリクエスト(無理難題)に文句も言われず全力でご対応いただけたことは、想定以上でした。
大会期間中は、常に近くに寄り添っていただき安心感がありました。閉会式直後に、陣頭指揮を取っていただいた藤澤さんから「大変でしたけどこれからの参考になりました」との本音の一言をいただきましたが、その表情には充実した笑顔が浮かんでいるように見え、心に深く刺さりました。
私のコングレさんに持ちました印象は、「誠実・全力・安心感」です。主催者と運営会社という契約以上の貢献をしていただけたと深く感謝しております。本当にありがとうございました。
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