「日本ASEAN友好協力50周年特別首脳会議」が開催されました
2023年12月16日~18日、日本とASEAN(東南アジア諸国連合)の友好協力50周年を記念する「日本ASEAN友好協力50周年特別首脳会議」及び関連行事が東京で開催され、岸田文雄内閣総理大臣と本年のASEAN議長国であるインドネシアのジョコ・ウィドド大統領が共同議長を務めました。特別首脳会議の成果文書として、日本ASEAN友好協力に関する共同ビジョン・ステートメント及びその実施計画が採択されました。
株式会社コングレ(東京都中央区、代表取締役社長:武内
紀子)は、会場設営・会議運営全般を担当しました。
ASEAN(東南アジア諸国連合)は、1967年の「バンコク宣言」によって設立されました。原加盟国はタイ、インドネシア、シンガポール、フィリピン、マレーシアの5か国で、1984年にブルネイが加盟後、加盟国が順次増加し、現在はベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマーを加えた10か国で構成されています。
日本とASEANは、1973年の合成ゴムをめぐる対話以来、過去50年にわたり、アジア太平洋地域の平和と安定、発展と繁栄のために、緊密な協力関係を築いてきました。
12月17日のセッション1では、日ASEAN関係のレビューと平和と安定のためのパートナー、地域・国際情勢について議論しました。
オープニングで、岸田総理大臣は、日本とASEANが「心と心」の繋がる真の友人として協力してきた信頼を次世代に繋ぎたいと述べた上、本日は過去半世紀の関係を総括し、将来の新たなビジョンと具体的な協力を打ち出すため率直に議論したい旨を述べました。
共同議長であるインドネシアのジョコ大統領は、開会挨拶で、日本が信頼できるパートナーであること、日本との協力により地域が成長の中心となり、新しい世代のパートナーシップの下、平和と安定が維持されることを期待する旨を述べました。
岸田総理大臣は、議論の総括として、各国首脳との率直な意見交換を通じ、全ての国が平和と繁栄を追求でき、民主主義、法の支配、良い統治、人権と基本的自由の尊重といった原則が守られる世界、というビジョンにつき一致していることが確認でき喜ばしい旨を述べました。
また、「平和と安定のためのパートナー」としての協力強化について一致しました。
セッション2では、世代を超えた心と心のパートナー(ワーキングランチ)と未来の経済・社会を共創するパートナーについて議論しました。
共同議長であるインドネシアのジョコ大統領からの冒頭挨拶の後、岸田総理大臣は、我々が気候変動や感染症、防災を含む様々な課題に直面する中、協力のキーワードは「共創(co-creation)」であるとして、長年の信頼に基づき、解決策を共に見出すことが重要であると強調しました。
ASEAN諸国からは、ASEANの経済・社会の発展、連結性強化などを含む統合の強化に対する長年にわたる日本の貢献に対する謝意が表明されました。また、更なる協力への期待が表明されました。
これを受け、岸田総理大臣からは、日ASEANが多くの点で考えを同じくしていることが確認できたとし、本年閣僚級などで打ち出したイニシアティブに基づく取組を進める旨を表明しました。その上で、日本の新たな取組について紹介しました。
そして、岸田総理大臣は、「日本ASEAN友好協力に関する共同ビジョン・ステートメント」及び「実施計画」の採択を宣言しました。
共同議長であるジョコ大統領に続いて、最後に岸田総理大臣から、本日打ち出したビジョンを通じ、「信頼」を次世代に繋ぎ、共通の課題に取り組み、法の支配に基づく秩序と「人間の尊厳」が守られ、平和で安定し、繁栄した地域と世界の未来を「共創」すべく、具体的な協力に取り組んでいきたい旨を述べ、会議を締めくくりました。
また、日本ASEAN友好協力50周年を記念して、東京タワーの点灯式典が実施されました。今年の11月に開業した麻布台ヒルズにおいて開催された同式典には、岸田内閣総理大臣夫妻、各国首脳夫妻、及び「日本・ASEAN学生会議」参加者や防衛大学に留学中のASEAN各国の学生が参加しました。
東京タワーの点灯は、ASEAN旗の色であるとともに日ASEAN友好協力50周年のロゴマークの色でもある、赤、黄、青を使用し、展望台部分に「ASEAN
JAPAN」のメッセージを点灯するもので、石井幹子デザイン事務所のデザインにより実施されました。また、日本とASEANの関係と同じく、50周年を迎える、東南アジアでも人気のあるハローキティも式典に登場しました。
式典に際して、岸田総理大臣夫妻及び各国首脳夫妻は、記帳ボードに署名し、日本とASEANの「信頼のパートナー」とされる日ASEANの強固なパートナーシップの一層の発展に向けて、思いを新たにしました。
また、岸田裕子内閣総理大臣夫人は、都内において日本ASEAN友好協力50周年特別首脳会議パートナーズ・プログラムを主催しました。
17日は、「JENESYS2023日本・ASEAN学生会議」の参加学生との懇談、旬の食材を取り入れた日本の季節を感じられる精進料理の昼食会、茶の湯の文化の紹介と茶筅振り体験などを催しました。
18日には、首脳配偶者と共に、文化庁の協力の下、国立能楽堂を訪問し、樹齢400年の檜で作られた舞台で舞う能を鑑賞した後、一般には立ち入ることの少ない舞台や舞台裏を歩き、能の世界に触れました。その後は軽食を挟みつつ、有識者や能楽師と懇談しました。
2日間を通して日本文化への理解を深めていただくとともに、参加した配偶者同士の親睦を深める機会となりました。
コングレは、日本ASEAN友好協力50周年の記念すべき特別首脳会議の運営を担当させていただき、たいへん光栄に思います。準備期間は2か月足らずと短かったのですが、5月のG7広島サミットでの会場設営・会議運営全般の経験を活かし、会議の成功をサポートいたしました。そして無事に終了できましたこと、関係の皆さまのご支援、ご協力に深く感謝申しあげます。
写真提供:内閣広報室
参考:外務省ウェブサイト
「日本ASEAN友好協力50周年特別首脳会議」